中部美化企業株式会社

ページ番号1003822  更新日 平成31年4月1日

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開発は御用聞きから



分水栓と水門

国や県、市町村といった官公庁の受注工事で一翼を担う中部美化企業。今や全国各地に広がる躍進のあけぼのは、あるアイデア商品の誕生にあった。
昭和40年当時、用水路は土嚢や板切れで水量を調節することがほとんどだった。そこで創業者である笹野忠治さんは、用水路の取水口にフタを取り付け、その開閉によって自由に水量を変えられる「分水栓」を開発。樹脂を使った取水口は当時としては珍しく、取引先には「すぐ壊れるに決まっている」と一蹴されることもしばしばだったという。 ところが、受注した三重県の工事で品質の確かさが実証されると、徐々に全国へと波及、ついにはこの形が定着していった。
その後は、水と土木分野における良きアドバイザーであり一緒に考えるパートナーとして、設計段階から関わることも増え、アルファベット順でAシリーズから始まった自社製品はZまで達し、さらに一巡してしまうほどに、製品ラインナップを拡大していった。

新たな着眼を契機に


鋼製やステンレス

しかし、波風が全く無かったわけではない。現場の社員から鋼製やステンレスを使った製品も加えていこうという話が持ち上がったのだ。昔のやり方でなく、特性を生かして違う利点を生み出せたら」と当時の開発部長が独自の発想から樹脂と鋼材を取り入れた新しい製品の開発に着手した。当時の社長(現会長)は樹脂メーカーとして一時代を築いたという自負もあり「安価で良い製品」を提供することにこだわり、開発チームの提案に難色を示したが、結果的にこの試みは、やがて会社の一つの柱になるまでの成長もたらすことになった。
代表取締役の笹野泰広さんも言う。「他業種の発想に学ぶことで、より満足度の高い製品を作ることができるようになりました。この試みが、会社の新たな考え方につながってきましたし、社員の意識も変える大きなきっかけになったようです」。
そして、泰広さんが次の柱と考えているのは、水害対策用の防水板だ。水門やバルブの開発で培ったノウハウを活かして、設置が簡単、しっかり止水が特徴の防水板を開発し、商業ビル・工場・地下街の入り口を対象に売り込みを積極的に行っている。また、HPやネットショップなどインターネットを利用した情報発信も積極的だ。「ニッチな商品だけに、“今までどこで買ったらいいか分からなかった”という個人の方にも見てもらえる。この情報発信のノウハウを糧にいずれは海外にも広がっていければと思っているんですよ」。
発想力と技術力、情報発信力の三つ巴で勝負する、新しい中部美化企業に、今後も目が離せない。


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企業のココに注目


笹野社長の写真

ほとんどが土の中、水の中で力を発揮する“縁の下の力持ち“的商品。「途切れず受注をして頂けているのが製品に対する評価なのかなと思います」(会長)


郡上八幡の川


郡上八幡・吉田川での案件は、明治時代の構造物を壊さずに水門を入れ替える難しいオーダー。 昔の水門作りから新しい着想を得た。


分水栓の写真


1970年に開発された分水栓。
利用される中で改良型が生み出されていく。


商品の写真


現場や予算に合わせて細かく要望に応えられるよう、バリエーションは多数。この柔軟さもウリの一つ。


表彰の写真


1978年には、分水栓考案の功績が認められ、愛知県知事より表彰。


PDセンターの写真


製品の開発・設計・製作に関わるTECセンターに加え、大型水槽を備えた試験研究センターを整備し、「どこにもない」自社製品の開発に力を入れている。


社内の写真


現在の本社は1992年に竣工。当時はほとんどの社員がここに集まっていたが、その後社員数が増加することで、拠点も徐々に増えている。2013年には津島事業所を新設、2015年には仙台営業所を拡大移転、2018年は七宝出荷センター新築やベトナム会社設立を実施しており、開発・販売両面での規模拡大を進めている。


 

会社概要
中部美化企業株式会社

設立 : 1966(昭和41)年
代表者 : 代表取締役 笹野泰広
資本金 : 1,000万円
従業員数 : 62名
事業内容 : 土木資材の開発製造販売
所在地 : あま市七宝町沖之島安無97番地
URL :  http://www.chububika.co.jp/
電話 : 052-444-4638
ファクス : 052-441-7891

このページに関するお問い合わせ

建設産業部 商工観光課

あま市七宝町沖之島深坪1番地
電話:052-441-7118 ファクス:052-441-8387
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