中京油脂株式会社

ページ番号1003826  更新日 平成30年3月12日

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あま市のスゴ技

「乳化・分散」技術

トップイメージ


混ぜる技術ときれいに分散する技術


混ぜる技術と分散する技術

水と油、という言葉がある。互いに混じり合わないことを言う例えだ。しかし、そこに「界面活性剤」が間に入れば、あら不思議、弾き合っていた水と油が混じり合ってしまうのである。これが「乳化」と言う現象だ。身近な例でいうと、乳液やクリームなどの化粧品やマヨネーズなどが、乳化を活かした製品である。
しかしこんなことはなかっただろうか。長らく放置していた化粧品が、固形物と水分に分離していたこと。手作りのマヨネーズを置いておいたら分離したこと。…つまり、分離している液体を混じり合わせるには、どんな性質を持つ材料を使うかという「混ぜる(乳化)」技術だけでなく、いかにムラのない状態をキープするかという「混ぜた物質を均等に分散させる(分散)」技術が必要となるということである。
その両方の技術を用いて特定の分野で高シェアを持つのが、あま市にある「中京油脂株式会社」だ。

製品をよりよくするための工程薬剤


企画・管理部部長太田保之さん

「うちは製品がないから…」と申し訳なさそうに取材に応じてくださったのが、企画・管理部部長太田保之さん。
中京油脂の主要製品とは、製品を作るための「工程薬剤」。つまり製品そのものではなく製品に付随する技術だ。例えば、自動車の座席用クッションやマットレスに使われるウレタンフォーム…ではなく、金型から製品を取り出す際に型離れを良くする薬液「離型剤」。ほかにも、買い物のレシートや飛行機チケットなどの感熱記録紙…ではなく、感熱紙に塗布される発色する補助剤や滑剤。製品そのものではないけれど、製品をよりよくするためになくてはならない技術―「乳化」「分散」技術がココの主力製品だ。

あらゆる産業に必要な技術


必要な技術

「もとは、ろうそくの原料である蝋油を卸していた商事会社だったんですが、その中で自社商品の開発も行っていました。今や主流となっている液体洗剤も製造・販売していたんですが、ちょっと時代が早すぎましたね…」と太田さん。しかし、その紆余曲折がのちに逆転ホームランを打つとは、そのときの一体誰が知っていただろう。間もなく、繊維業が発達して、機織機に使われた繊維油剤の開発によって、メーカーとしての道が開かれたのだった。

この分野では絶対に負けない!熱き情熱 


この分野では絶対に負けない

特定の製品ではない、というところは、実は大きな強みでもある。例えばこんなことがあったという。かつて自動車業界ではリムリケイというウレタンバンパー用の離型剤が使われていたが、ポリプロピレンへ移行したことで、かつての主力商品が出荷ゼロになってしまった。しかし、一方で紙の分野で感熱紙塗工液が世界シェア6割と伸びていたことから、会社への打撃は最小で済んだのだ。どこにでも応用できる、それがココの形にならない技術といえるだろう。「あらゆる工業製品に使える技術だと思うので、どんな技術の手助けになるのか開拓していくことが必要。社員が100名足らずの中小企業ですから、大手がやらないニッチなところで勝負してくのが我々のスタイルなんです」
取材の最後、太田さんにこの仕事の面白みを聞いてみた。「私も他の社員も技術屋が多いので…この分野では絶対に負けないという開発に携わっているのが一番の喜びですね」。
冷静沈着な表情にふと見せた情熱の炎。技術者たちのオンリーワンを求める探求心が、この会社を、社会を大きく突き動かしている。


あま市企業チャンネル


企業のココに注目


「リケイ剤」


自動車用ウレタンシートやハンドルなどを金型成型する際に、金型からはがすために不可欠なのが、ウレタン樹脂成型用離型剤「リケイ剤」。接着性のあるウレタン樹脂は、あらかじめ金型にリケイ剤を塗ることできれいにはがれるようになる。


「ハイドリン」


感熱記録紙の表面に塗布されているのが「ハイドリン」。水に混ざりにくい滑剤成分を数ミクロン以下の微粒子にして水中に均一に分散した商品で、この業界のスタンダード品として世界で使われている。


環境にやさしい技術を開発


近年は環境規制によってガソリンなどの有機溶剤系離型剤から、水系離型剤へ移行する動きが出ている。その流れをとらえ、環境に優しい技術を開発。時代を先読みする対応力も強みだ。


数々の受賞、認定


「愛知ブランド認定企業」「モノづくりNAGOYA認定企業」「中小企業研究センター賞」受賞など数々の受賞、認定がある。


 

会社概要
中京油脂株式会社

設立:1941年2月
代表者:代表取締役 伊藤 英樹
資本金:9,000万円
事業内容:機能性油化学品を主体とした各種工業化学品の製造・販売
所在地:愛知県あま市小橋方大屋敷5番地
URL:http://www.chukyo-yushi.co.jp/
電話:052-442-5550
ファクス:052-442-5553

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建設産業部 商工観光課

あま市七宝町沖之島深坪1番地
電話:052-441-7118 ファクス:052-441-8387
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