株式会社晃伸製機

ページ番号1003828  更新日 令和5年1月11日

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あま市のスゴ技

除糞機・乾燥機・給餌機

トップイメージ


養鶏産業とともに急成長


鶏卵場

「物価の優等生」という言葉で表現されるように、60年ほど価格がほとんど変わらない鶏卵。安価に供給し続けられるのは、消費の拡大に合わせて養鶏場が大型化して、大量生産できるようになったからだ。
あま市に3000坪の社屋を構える株式会社晃伸製機(こうしんせいき)は、1972年の創業。まさに養鶏産業が急上昇した時代から、養鶏機器を製造し、安定供給を影で支えてきた。
「家畜をたくさん飼うことになったら、何が問題になってくると思いますか?」…突然、こう角谷博規社長に問われ、答えに窮す。大量生産に、何か問題でも?
「糞、ですよ。鶏は1羽につき1日100gの糞をするんです。昔は飼う数が少なかったから、外に撒いておけばよかったけれど、それが1万羽、2万羽と増えていったら、処理できなくなり、やがて公害問題へ発展してしまう。農林水産省は、早くからその流れを見越して、非常に優れたマニュアルを作りました。創業者である父と兄は “世の中の展望を見ていくと、必ず直面する問題だ”と考えて、除糞機や乾燥機の開発を始めたんです」。

一握りの成功のために挑戦し続ける


社長

大量の畜糞をどうやって処理をするのか。処理場にて集められた生糞を大型の機械で攪拌して発酵を促し、3週間ほどかけて堅い粒状にする。こうして処理された畜糞は、驚くことに臭いもほとんどなく、クリーンだ。晃伸製機は、この技術で、今や世界25カ国と取引をする畜産業界のリーディングカンパニーに成長した。
ところが「成功したのはほんの一握り。ほとんどが失敗ですよ」と社長は笑う。
トラクターを利用して除糞機を作るも、アメリカでフォークリフト型の除糞機が登場して下火に。生糞を天日乾燥する機械は成功したが、補助金制度が打ち切られることになり、どん底のピンチに…。しかし、このピンチが今の晃伸製機の基礎を作ったのだから、チャンスはピンチの中にこそ潜んでいると思わずにいられない。

海外へ活路を見出す


海外へ

「海外へ行け」…一か八かの勝負に出た当時社長であった兄は、現場で働いていた角谷社長に海外での販路開拓を一任。英語もスペイン語もできないが、何しろ会社は存亡の危機なのだから、手ぶらでは帰れない。ブラジルに向かった角谷社長は、真っ黒に日焼けするまで駆け回ったが、何年経っても、期待するほどの成果が出ない。当時社長をしていた兄が“いいなぁ毎日遊んでいて”とからかったが、それ以上は何も言わず好きにさせてくれたという。
突然変化があったのは、4年目からだ。「買ってくれたお客さんの鶏舎を見て、面白いぐらいにどんどん広がっていったんです。何事も実になるには5年はかかるということですね」。
だから、スピード感は大事だが、決して焦らない。手間や経費はかかっても、決して売りっぱなしにはしない。今でも世界各国に散らばる取引先のもとへ年に1度は顔を見せに行く。
日本では製品の販売を東海三県に限定しているのも「父の時代から、信頼がすべて。手を広げることより、1人のお客様を大切にしたい」という強い思いがあるからだ。

資源循環型農業の手助けに


資源循環型農業

そして、平成26年から着手しているのが「有機肥料」だ。見据えているのは、資源循環型農業への動き。家畜の糞からたい肥を作り、よい土作りで収穫量が多く味の良い農産物を育てる、という昔ながらの農業のことだ。
工場のそばに作った80坪の畑で、化学肥料や有機肥料などいろんな条件で野菜を育てて、ただいまデータを蓄積中。「養鶏業者と耕種農家をつないで、資源循環型農業を実践する手助けができたら」と角谷社長は話す。
これが実現したら、エコな社会になるだけでなく、次は、野菜や果物が“物価の優等生”になるかも…晃伸製機の今後を大いに期待したい。


あま市企業チャンネル


企業のココに注目


養鶏場


鳥インフルエンザの脅威にさらされる現代の養鶏場は、窓のない場内にマンション型のケージが置かれ、一元管理されたシステムの中、10万羽を1人で管理できるようになった。


製品写真


工場内には、大量の畜糞を均一な形状に処理するための大型機器や部品が並ぶ。「すべてこの工場で行っているので、お客様からのオーダーに合わせて自由に加工できるのも強み」


充実した施設


テニスコートにバスケットゴール、アスレチックジム、卓球場も完備。休みの日には、駐車場でBBQなど社員同士の交流も盛んだ。


野菜畑


80坪の野菜畑。昨年は、なす、きゅうり、トマトを植えて、化学肥料と有機肥料の違いをデータ化。有機肥料は使い続けるほど土の中のバクテリアが増え、年々生産量が向上しているとか。


 

会社概要
株式会社晃伸製機

設立:1972年2月
代表者:代表取締役 角谷 博規
資本金:2,000万円
事業内容:養鶏用自動化システム・畜糞処理機械・産業廃棄物処理機械
所在地:愛知県あま市七宝町徳実辻切1-1
URL:::http://www.kohshin-s.jp/
電話:052-442-1166
ファクス:052-442-5109

このページに関するお問い合わせ

建設産業部 商工観光課

あま市七宝町沖之島深坪1番地
電話:052-441-7118 ファクス:052-441-8387
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