株式会社岩月屋
岩月屋は今年(2013年)で創業40周年、しかし看板商品のラスクは誕生61年なのだとか。これは一体どういうわけか。「菓子問屋だった先代社長が、三河屋製菓からラスクの製造を引き継いだからです。三河屋製菓時代から数えると、このラスクは61年の歴史があるんですよ」と社長の岩月敏光さん。後継者不足から廃業することになった三河屋製菓に代わり、工場まるごと引き取った先代社長は、当時からの変わらぬ味を頑なに守り続けた。スーパーやコンビニが台頭しはじめ、問屋自体も縮小していく中で、製菓メーカーとしての再出発。先代社長にとっても大きな賭けであったろうが、売れ筋であったラスクに未来を託した。
そして、およそ5年後、思わぬラスクブームが到来。それに合わせて4年前には地元に工場を移転した。ブームになったラスクは砂糖をまぶしたタイプだが、岩月屋のラスクはカリカリのパンに黄色いクリームののった昔懐かしいもの。「ネット世界の市場ではなかなか見られない、このクリームラスクが人気。今でもウチの売れ筋なんですよ」。サクッとした食感、やさしい甘さ。確かに美味しい!クリームも一枚一枚手塗りで行っていると聞いて、ますます愛しく、ますます手が伸びてしまう。
工場を案内してもらった。ラスクはパンづくりが最も難しいという。発酵の具合や天候などによって微妙に変わってしまうため、パンづくりは熟練の職人が扱うとか。
しばらくして、様々なラスクがテーブルに並びはじめた。「現在12種類作っていますが、全部手作りだからこそできるワザ。小ロットの要望に応えられるのを強みにしています」と社長。ここでは、OEMとして東京スカイツリーや羽田空港のお洒落なお土産ラスクやカレー屋とコラボしたカレーラスク、ワインと一緒に食べるおつまみラスクなど、ユニークな人気ラスクが生み出されている。お客様に必要とされる会社にしよう、と熱く語る社長のもと、若手といえどもルーティンワークの合間をぬって、試作品作りに余念がない。
「やはりこれからを生き抜くには高価値であることがポイントになるでしょう。高級スーパーやお土産屋さん、百貨店などで売れる商品の開発に力をいれていきたいですね」。
それと並行して、持ち前のパン製造技術を活かして「パンのギフト化」の構想も進めている。イタリアのパネトーネやドイツのシュトーレンなど、海外では文化となっているクリスマスのパンを日本でも習慣化できたら、と現在奮闘中だ。変わらぬ味や伝統を守り、その一方で新しく変化し続ける岩月屋。岩月社長はじめ若手社員らが描く新しい未来が、いつか日本の食文化を広げてくれたらと心から願っている。
ラスク専用に焼かれたフランスパン。食感のよさはパンで決まるそう。
クリームをナイフで1枚1枚塗っている。均一に手早く塗る職人技。
観光地で人気のお土産用ラスクや食事やおつまみとしてのラスクなど種類豊富。
若手からベテランまで参加する商品開発コンテストも実施。試作品も数多く作られる。
会社概要
株式会社岩月屋
設立 : 昭和48年5月
代表者 : 代表取締役 岩月敏光
資本金 : 1,000万円
従業員 : 30名(社員・パート含む)
事業内容 : 菓子製造(ラスク、パン、焼菓子、半生菓子)・卸売
所在地 : 愛知県あま市木折戸井田23番地
URL : http://www.iwatsukiya.co.jp/
電話 :052-442-4649
ファクス:052-441-1731
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