株式会社エイビス
胸には、生地を何枚も張り合わせた華やかなチームのマーク、豪華な縁取り刺繍・・・野球のユニフォームといえば、はるか昔からそれが定番だった。ところが最近、野球業界にとっては革新的な技術が登場する。
「昇華プリント加工」だ。昇華とは、特殊なインクを使い、転写紙から生地へ高温でプリントする加工技術のこと。高温の熱をかける際にインクが気化し、繊維に色を浸透させるため、シルク印刷よりも発色がよい。何よりこの昇華は、圧倒的にユニフォームの軽量化に貢献した。
2009年WBC(World Baseball Classic)では、昇華を直接施した“軽い”ユニフォームで見事ねばり勝ちを見せた。話題となった競泳水着ではないが、スポーツにおいて身に着けるものの軽さは体力や俊敏な動きに影響する。変化のあまりない野球ユニフォームだが、プロ野球での使用で、アマ野球界にも新しい波がじわじわと席巻しつつあるようだ。
さて、昇華はもちろん、全国津々浦々の野球ユニフォームを手掛けているのが、ここエイビスだ。
スポーツ用品の大型専門店「スポーツオーソリティ」のプライベートブランドという形でオーダーユニフォームを一手に受注。「スポーツオーソリティさんは、スポーツ用品店の中でも後発組で、ウリとなるサービスを模索していました。そこで、マーク、仕上げまですべて自社で行える私共にお声が掛かったんです」と代表取締役会長の伊藤孝文さん。
販売網が全国に広がったのを機に、どんな注文にも確実に対応できるような体制も整えた。「ユニフォームは選手にとって神聖なもの。だから納期が厳しくても『これがないと試合に出られない』と言われるのが泣き所で(笑)。ゼッケンをもらう時のうれしさは、僕らもよく知ってますから多少無理しても気持ちに報いたいんです」。
創業当時、縫えるものは何でもやろうと始まったエイビスの前身「恵比寿屋」は、60年の時を越え、野球ユニフォームを専門とし、さらに少年野球のサポート事業へとニッチに深化した。「狙ってそうなったわけではありませんが、野球ならではの特性と顧客を大事にしてきた古き良き商売の体質がマッチしたんでしょうね。これからも、人と人のつながりを大切にできる、大手には出来ないことを僕ららしく地道にやっていこうと思っています」(伊藤さん)。
野球大会の主催、練習試合のマッチングサイトの運営、オリジナル記念品の企画製造と、野球に打ち込んだ日々が、親にも子にもいつか思い出になる日まで、エイビスは静かに寄り添い、見守り続ける。
日本野球界の底上げにもなるという希望のもとに、少年野球に特化。練習試合の申込みサイトを立ち上げ、チーム運営をサポート。
地元の少年野球チームを地道に訪問。すっかり顔なじみに。
顧客情報をデータベースで管理した先駆け。
昔作ったユニフォームの再注文も可能。
裁断は主に自動機で行うが、特注品などの少数は手作業で。
これも効率化だ。
縫製は流れ作業ではなく体制を入れ替えて製作。着心地に関わる曲線部分は熟練の縫い子さんの手にかかっている。
裁断から縫製、マーキングまで、すべてを一貫生産できるメーカーは全国でも数少ない。
今でも現会長が仕上げの工程を行う。
野球少年たちの夢がつまった大事な製品だからだ。
会社概要
株式会社エイビス
設立 : 昭和56年3月
代表者 : 代表取締役会長 伊藤孝文
資本金 : 2,540万円
従業員 : 82名
事業内容 : ベースボールユニフォーム製造
所在地 : あま市七宝町川部六反田2番地
URL : http://www.avis-club.co.jp/
電話 : 052-441-1234
ファクス : 052-443-2161
このページに関するお問い合わせ
建設産業部 商工観光課
あま市七宝町沖之島深坪1番地
電話:052-441-7118 ファクス:052-441-8387
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