有限会社八木商店

ページ番号1005625  更新日 平成31年3月22日

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あま市のスゴ技

有限会社八木商店

トップイメージ


多くの工程が無二の食感を生む


きねつき

「業務用のみたらしだんごや三色団子、五平餅を製造する食品工場」―そう聞いてまず思い浮かべたのは、ボタン一つで真っ白な串だんごが次々と出来上がっていく光景。ところが、のどかな住宅街の中にある八木商店には、ベルトコンベアーも、巨大な設備もなかった。誰もが知るような東京の有名和菓子店にも卸していると聞いていたが…?と、いぶかしげに小さな工場の内部をのぞいていると、2代目社長の八木渉さんが「工場とはいっても、手作りの補佐をするような機械しかありませんから…」と笑う。
業務用のだんごは通常、米粉を練り上げ、団子を成形するだけのシンプルなもの。それに対して、八木商店の串だんごは、米粉を機械で練って、きねでつき、まるく成形した後、蒸しあげ、冷凍する。工程が多いのに驚くが、ここで重要なポイントは3つ、「きねつき」と「蒸し」「冷凍」だという。
まずは「きねつき」。この工程を省いても、商品としては問題ないため、多くの工場では行っていないというが、これを行うことで独特の柔らかさや食感に違いが出るという。そして、串だんごをひとつひとつ金網に並べて行う「蒸しあげ」によって、つきたての生地を安定させて、ぷりっとしたまとまりよい生地にする。また、金網にくっつかないように塗られる、ほんのわずかな油分を落とす役割も担う。
話している途中に、目の前で三色団子が蒸しあがったので、そこから1本頂いた。むっちりとした弾力、つるんとしたのどごし…これが蒸したての味!ふわふわして、とても美味しい。「蒸したては水分が多いので、少し柔らかいでしょう?ところが冷凍の工程が入ると食感がまた変わるんです。だんごの水分が抜けることによって生地を締めて、さらに美味しさがあがるんですよ。うちのだんごは、お客さんの店で解凍した時に最も美味しい状態となるように、細かく設計されているんです」。

商品の均一性こそが職人技


職人技

だからといって毎回同じようには作れないのが、食品製造の難しいところ。「その日の天候や温度湿度、原材料の状態によって、出来上がりが違ってくるんです。それはやはり、作る人の勘どころが必要になる。機械任せではできないことですね」。
なるほど、この一連の作業の様子を見ていてわかったことがある。ここは工場というよりは、まさに和菓子屋さんのそれだ。つまり、和菓子店の片腕として、手間のかかるだんご部門を請け負っているようなもの。八木商店の串だんごは、東京や大阪の有名和菓子店で1本150~200円で販売される高価格な団子だと聞くが、それも納得である。

変わらぬ美味しさで支えていきたい


八木社長

八木商店は今から40年ほど前に、両親が始めたお好み焼きや五平餅の店からはじまった。すべて手作りの五平餅は人気があり、他の店舗に卸す商品も依頼されるようになったため、店をたたみ、業務用商品の製造一本に絞ることにしたという。現在のレシピは、先代である父がすべて作り上げた。「手間のかかる製法ですが、何ひとつ省くことなく、大切に育んできました。それが差別化になって、うちを選んでくださるお店が多い。それぞれの和菓子店が描く美味しさを私たちの技術で形にして、作る人、食べる人それぞれに喜んでいただきたいです」。美味しさの実現のため手間を惜しまない姿勢には和菓子店・食品ディーラーからの信頼も厚く、国内外から「ぜひ一緒に」と声がかかる。「それが何より嬉しいですね」と八木社長は、屈託なく笑った。


あま市企業チャンネル


企業のココに注目


三色団子


平成27年度に開催された「あいちのお菓子総選挙」の「なつかし おかし区」部門で八木商店の三色団子が準優勝を受賞。あま市の給食でも登場するお馴染みの味だ。


五平餅


五平餅はたれも独特。定番のピーナッツやくるみは使用せず、ごまとしょうがで仕上げるオリジナルたれは、創業当時からのものだとか。


製造


大量生産できないものの、ピーク時には1日に2万本以上の団子を製造。差別化を図りたい店舗からのオーダーにも細やかに対応している。


みたらしだんご


店舗をもたない八木商店のみたらしだんごが食べられるのは、唯一あま市のイベント時のみ。高級みたらしだんごがかなり値打ちになるためファンも多く、いつも長蛇の列になる。


 

会社概要
有限会社八木商店

設立:1994年 4月
代表者:代表取締役 八木 渉
事業内容:洋菓子の製造、加工及び販売、冷凍食品製造並びに加工、冷凍冷蔵業、食店の経営、製造品目
URL:http://www.yagi-syouten.com/
所在地:愛知県あま市木田川東加瀬24
電話:052-442-7996
ファクス:052-442-7992

このページに関するお問い合わせ

建設産業部 商工観光課

あま市七宝町沖之島深坪1番地
電話:052-441-7118 ファクス:052-441-8387
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