藤原佛檀木工所

ページ番号1004689  更新日 平成31年4月1日

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あま市のスゴ技

希少な伝統工芸士として名古屋仏壇の土台「木地」を極める 名古屋仏壇の木地

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名古屋仏壇のルーツとその特徴


名古屋仏壇のルーツとその特徴

豪華で有名な名古屋仏壇のルーツは、将軍家康が尾張藩主に与えた「木曽ヒノキの管理権」にはじまる。物資を運んだ堀川周辺には、多くの木曽ヒノキとともに材木商や職人らが日本中から集まり、城や神社の建造にあたっていた。元禄の頃には、それら宮大工、寺大工職人であった人たちが専門化し、グループで仏壇を作り始め、そこから地域に根ざした「名古屋仏壇」が生まれたという。
名古屋仏壇の特長は、木曽三川の水害から本尊を守るため台が高く「まくり」(収納)を備えていること、宮殿御坊造を代表とし、豪華な構造になっていること、三つ切欄間のあること。すべて釘1本使わない「組木ほぞ組」で作られ、代を経て古くなっても分解、組み立てが出来るよう工夫されている。

すべてのはじまり「木地師」の仕事


すべてのはじまり「木地師」の仕事

それにしても工程の多さには驚かされる。名古屋仏壇の場合、木地師、荘厳師、彫刻師、内外飾金具師、塗師、蒔絵師、箔押師、組立師…これら八職と呼ばれる専門職によって、ようやくひとつの仏壇になる。その中で、仏壇の土台、外側の部分であり、すべてのはじまりが「木地」だ。
使用する木材は、水分を含んで反りやすいため、まずは半年から1年乾燥するところからはじめる。そののち、すべての角材を直角に整えてから、大まかな寸法で粗取りした後、尺杖(寸法を刻んだ角材)という計りで切削するための印を入れる。そして、何十種類もあるカンナを使い分けながら、ひとつひとつ、丁寧に部品を作り上げていく。正直言って、非常に地味な作業の連続。ところが…2階の工房にあがって、すべてのパーツを組んでもらったとき、このささやかな造作が突然光を帯び、神々しく輝いたのだ。思わずため息が漏れたのは言うまでもない。
何も塗っていないのに、艶々として美しく、際立つ存在感。木の目もきれいで、塗ってしまうのがもったいないようにも思える。これらはよく見ると、塗りの厚さも加味して、最終的にぴったり組み揃うように作られている。次へバトンを渡し、またそれが次へ、次へと。どの工程も次へと繋ぐために、職人の仕事を全うするのだ。

毎日手を合わせるものだから


毎日手を合わせるものだから

木地師・藤原直樹さんが、師匠であった父に言われたことは「手を抜かずに、常に木の目を見なさい」という言葉だった。高卒で父と同じ世界に入り、27年。はじめてすべてを手掛けた時は、うまく組み上げることができなかった。木の目を見ながら、少しずつ、失敗してまた繰り返し。「仏壇とは、いつも手を合わせ、代々大事にされるもの。それが木地師としての喜びであり、日々精進して、その思いに応えられるようなものを作らねばならない」…その思いを、いつも心に刻み、木と向き合ってきた。そしてこれからも、藤原さんは、伝統工芸を受け継ぐ職人として一心に歩み続ける。


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木地見せ


名古屋仏壇のすばらしさの一端を見て、これからは住居と同じように仏壇を迎えるのもひとつの楽しみかと思う。時間はかかるが、「木地見せ」からひとつずつ、自分の仏間に合うようにオーダーメイドしてもらうのも面白い。


組子コースター作り


名古屋仏壇の普及のために、年に一度は職人として表に出る。その時に、組子コースター作りを行い、木地師の仕事について知ってもらう。


道具


これが道具。カンナだけでも何十種類もある。木だけでなく道具自体も状態が変化するため、微調整しながら、慎重に作業していく。


 

会社概要
藤原佛檀木工所

設立:昭和60年6月
代表者:藤原 勝治
事業内容:仏檀木地製造、木地修理
所在地:愛知県あま市森山江端46
電話:052-442-4517
ファクス:052-442-4517

このページに関するお問い合わせ

建設産業部 商工観光課

あま市七宝町沖之島深坪1番地
電話:052-441-7118 ファクス:052-441-8387
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